人気ブログランキング | 話題のタグを見る

復活なるか


by t-mac
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

殺生ねえ

先週、ES細胞の研究支援のために連邦資金を投入する、とした上院の規制緩和法案を大統領が在任中初となる拒否権の行使により退けた。その主な理由として挙げられているのがthe destruction of "innocent human life"。要は無益な殺生はいかん、ということか。殺生を是認するような研究に税金は使えないと・・・。

では、イラクで民間人の殺生を伴う軍事行動において国政に影響を及ぼしかねない額の税金を投入するのは問題ないと?横暴とも思えるイスラエルの軍事行動の容認は?短絡的な発想かもしれない、でも、無益な殺生が、もっとずっとわかりやすい形で起きているのではありませんか?大統領殿?

今週のある朝、実験前のひと時にあるラボのメンバーが問いかけてきた。レバノンは、いい加減なんらかの手を打つべきだとは思わないか?それが、イスラエル軍人質を返せばいいのに、ということを言いたいと言うこと位はすぐわかった。でも、アメリカがいち早くイスラエル支持を打ち出したのが気に入らなかった自分はそうは答えられず言葉を濁し、イスラエルはやり過ぎだ、というようなことを言った(気がする)。

すると、いや、でもテロリストは消し去るべきだ、みたいなことを言う。あらら、大統領閣下と一緒ですか。そういえばこの方、大統領選の際もブッシュ支持を明確に打ち出してたなあ(笑)。ちなみにラボ内での内訳はブッシュ2、ケリーその他(約6?)だったかな。

もちろんテロは容認されるべきではない。でもレバノンがそのままテロリストの国家なわけではないだろう。ヒズボラという、イスラム教のシーア派武装組織がやっていることだ。stayusさんの記事によるとシリアが大分バックアップしているとのことだが、レバノンとしてやっているわけじゃないはず。ある一つの側面だけを見ているとしか思えないこういうことがよくある。悪の枢軸国家、そんな表現を丸呑みしているような。そうやってイラクに出かけていった結果、どうなった?素晴らしい理想国家建設のお手伝いができましたか?

またまたウィキに頼ってしまうけど、この記事を読むとイスラム過激派がどんな背景で出てきたのか、という一つの参考になる。ようはいたちごっこが未だに、しかも悪質な形で続いているんじゃないですか。中東に限らず、反米デモの映像でよく星条旗を燃やしている映像が映る。その憎しみの元になったものは何だったのか、この国の人たちは考えることはあるんだろうか?

以前記事にした会社時代の上司に酒の席でよく怒られたものだった。日本と韓国・北朝鮮や中国との関係について某新聞の鵜呑みで来てしまっていた自分。アホ、もっと勉強せんかい、とよく言われたものだった。人の気持ちの裏を読むのは過剰なくらいにするくせに(笑)、そんなものも見抜けていなかった自分が恥ずかしかった。

振り出しに戻って幹細胞研究のお話。政府資金を研究費に投じるべきだ、という意見では実は、ない。誤解を恐れずに言うと、これが通ることによって幹細胞研究大流行り、になってもらっても困るのだ。自分でもどう表現していいかよくわからない。ある意味嫉妬かもしれない。もし幹細胞による治療が確立すれば、遺伝子治療は相当憂き目を見るだろうし(笑)。

それこそ研究費を取るために、パイの奪い合いが厳しい既存のグラントより、それまで縁のなかったような連中までが大挙して幹細胞という御旗を掲げてグラントの申請をする、そんな事態にはなって欲しくない、というのが近いだろうか。この法案がポシャることにより幹細胞研究の分野においてアメリカが立ち遅れる、という意見もあるという。そんなことはない、と思う。仮にそうなったとしても、その研究者をあっさり引き抜くんじゃないだろうか(笑)。



このブログではこういうネタはめったに取り上げられません(笑)。何故かと言うと著者にその能力がないからです。それでも、こういうことを語り合うのに資格は要りませんし、実際普段語り合っても誰もが納得できるような意見を口にできる人はそう多くはありません。なので、こういうことを過剰でない程度に表現できて意見交換ができるようになるために挑戦してみました。いや正直こういう話題でついつい黙ってしまうことが多く、(特にここアメリカでは)そういうことではいけないと切に思うので思い切って書いてみました。
by tomo_macintosh | 2006-07-23 19:37 | くらし