みぞうのふきょう。


by tomo_macintosh
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タグ:永住権 ( 7 ) タグの人気記事

うずまき型 対 山型

一口にグリーンカード(永住権)と言っても、いろんな申請方法がありますし、いろんなステップがあります。Adjustment of Status/I-485の申請をすると、しばらくして指紋採取の呼び出しがかかります。ウチもやっとこのステップに到達し、本日指紋のスキャンに行ってきました。

呼び出しの手紙には住所と用意するもの(手紙とIDだけですが)、持ち込んではいけないもの(携帯、カメラ、飲食物等)が書かれてあるだけ。Google MapのStreet Viewで様子を見るとその近辺には何の変哲もない小さめのモールがあるだけ。どこにあるのかはっきりしません。というわけで、我が家にしては珍しく念のために1時間前に出発(7時!)しました。

場所はどういうわけか以前はダウンタウンだと思いこんでいたのですが、UCLAからそれほど遠くない、クルマで20分程度の場所です。Picoという東西に走る通り沿いにあり、La Cienega、Fairfaxという南北の通りに囲まれたエリアです。普段は全く行かないエリア…と思ったのですが、以前小さな追突事故の際、GEICOという保険会社の査定を受けた工場がすぐ近くでした。

I-140を受け取った時にはなぜか「おぉ、やっと来たか」という感じで、感激したと言うよりはホッとした気持ちの方が強かったのですが、今日は自分でもちょっと不思議なくらいいろいろ考えてしまいました(全然そうは見えなかった、と言われそうだけど)。朝、それも早朝の雰囲気って9時過ぎ、10時くらいとはだいぶ違う気がします。行き交うクルマのドライバーも皆仕事前、という面持ち。通りにもまだ人があまりいません。あのどことなく緊張した、清々しいような朝の気配、割と好きです。

先日iTMSで買った新しいバージョンのカリフォルニア・コネクションをカーステレオで聞きつつ、「あぁそういえば『この』カリフォルニアに居るんだよなぁ」などと思い、Olympic(という通り)を走っては「そういや来たばかりの頃レンタカーで信号無視して写真撮られたよなぁ」と思いだし、Picoに出てからは「そういえば渡米直後に産まれた子供の面倒を見にきてくれた母親を乗せてダウンタウンまでこの道を走ったなあ」などとしんみり。

着いてみると平屋の小さなモールの何の変哲もない一区画。ただ大きく"Application Support Center"とだけ看板が出ていました。予定の8時まではまだ15分ありましたが入口の前には10人弱の行列。人種はバラバラでラティーノとアジア系が主でした。日本の米国大使館ほどのセキュリティではありませんが、預かってくれるところはないので携帯はクルマに置いていかざるを得ませんでした。
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何の変哲もないモールの一角にある

時間になると中から警備員が登場、注意事項を言い渡されました。時間になって中に入ると単に椅子が並べてあるだけの殺風景な部屋。一人一人記入する用紙をもらいます。椅子に掛けて名前や両親の名前やapplication numberなどを用紙に記入したら番号札をもらい、呼ばれるのを待つことしばし。一緒に入場した40代くらいの黒人のおじさんと妙にカジュアルな白人(50代?)の組み合わせがなぜか気になって仕方がない(笑)。いわくありげな黒人のおじさんに付き添ってきたやり手の弁護士?でも黒人のおじさんは慣れた様子で警備員と立ち話なんかしています。ますます気になる(笑)最終的には黒人のおじさんではなく、一緒にいたカジュアルな白人のおじさんが指紋と顔写真の手続きをしていました。いったいあれは??? 結局我々は15~20分くらいしてお呼びがかかりました。

別の区画に行っていよいよ指紋のスキャンです。この係官のおばちゃんがまた猛烈なロシア語訛り。3割くらいしか聞き取れません。古いタイプのATMマシンのようなスキャナで両手の指紋をスキャンしていきます。スキャンしながらおばちゃん係官は「いいかい、指紋には9種類の種類があって渦巻き型と山型が多い、おまえのは渦巻き型だ、あっちでやってるのは奥さんかい? 見てきてあげよう。こっちおいで、奥さんは山型よ。」なんて調子なものだから、こっちもついつい「へぇ面白いねえ。じゃあウチの息子はどっちだろう?」てな調子。スキャンはタバコの箱くらいのガラス面に指を押しつけられ、広い範囲がスキャンできるように指をロールさせられます。不明なエリアがあると赤枠で表示されるようで、やり直しをさせられます。全部の指をスキャンするまで結構な時間が掛かりました。

指紋が終わったら次は顔写真。念のためにカッターシャツを着て行って正解でした。これで全て終了。係官の態度はどうったか?みたいな簡単なアンケートを記入してはいおしまい。結局建物を出たのは45分くらいだったと思います。

最後におばちゃん係官、あとは待て、いつかはわからない、でもとにかく待て。とのことでした。かくして・まあ・たぶん・きっと・一歩前進。
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駐車スペースは6台くらい?でも運が良くないと駐められないかも

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by tomo_macintosh | 2008-08-01 12:38
これまで何となく暗示あるいはさりげなく(笑)書いていましたが、自分はインダストリー(民間)への就職を第一の選択肢に置いています。国防省のNew Investigatorのグラントが取れたら一旦アカデミア、なんて甘い夢を見たこともありましたが、キッチリ落ちて(笑)却って良かったのではないかと思います。まわりからどう思われているか分りませんが、意外と流されやすく、人の言葉に影響を受けやすいので、困難だと分っていつつもその気になってしまったかもしれないからです。

もともとポスドクをステップアップのための修行として捉えていたこともあって、始めから永住権は視野に入っていました。9/11の前はそれでも「会社が必要と思えば(ビザ・永住権を)サポートしてくれる」なんて都合のいい噂を信じようとしたりもしましたが、今となってはまずあり得ません。そもそも自分は超一流の研究者というわけではないのですから、そんなことが起こるとは考えられなかったのですが。

そんなわけで研究を頑張ってやって来たのは自分にスキルをつけるためと実績を積んで永住権を申請するためでした。今にして思えばそのような目に見えるものだけではなく、研究に対する取り組み方、ラボのマネージメント等、一朝一夕には得られない物も少なからず吸収して来たわけですが、何故だかバカ正直と言ってもイイくらいに実績を積み上げることばかり考えていました。

既に永住権は申請済みですが、実際問題どの程度実績が必要だったのかは正直分りません。論文が5本なくてはいけない、そのような明確なルールはありません。依頼する弁護士によって決まると言っても良いかもしれません。自分の場合、複数の弁護士に「ギリギリ、もう少しあった方がいい」「十分にある」「大丈夫だと思う」と言われました。もちろん、十分にある、と言われても何の保障にもなりません。

というわけで我々は外国人労働者ですから永住権申請に限らず、ビザステイタスに関しては真剣に付き合わざるを得ません。しかしこれがまた難解。移民専門の弁護士がいるのも頷けます。最新の情報を把握して、大学やボスとうまく交渉しながらいかに容易に短期間で取得するか、が肝要です。そこで、このような機会を作ってみました(笑)。ハイ、宣伝までの前振りでした。


SCSNより第8回 SCSNフォーラム のお知らせです。

来る12月8日(土)、SCSNは第8回フォーラム「ビザ・永住権最新情報」を開催します。
ビザ関連情報は日々刻々と変わっており、正確な情報を把握するのは大変困難です。SCSNでは移民法の専門弁護士、冨田有吾氏(http://tomitalaw.com/contact/contact_tomita_profile.htm)をお迎えして現在のビザ事情と今後の展望について、特に永住権取得方法を中心に解説をしていただきます。更に、最近永住権申請をした方にも体験談を話していただく予定です。

・(ポスドクで)そろそろ永住権を取得しようと考えている方
・(ポスドクや学生で)いずれは永住権を取得することを考えている方
・(PIで)ポスドクや学生の永住権取得をサポートしようと考えている方

を対象にしております。永住権を取得するには現状を把握し、早くから準備をしておくことがとても重要です。永住権取得に早すぎるということはありません。近年、アカデミア以外のHビザは完全に飽和状態であり、アメリカ国内で就職する際には永住権がほぼ必須と言っていい状態です。永住権なんて「まだまだ先の話」・「他人事」と考えず、これを機会に準備を進めてはいかがでしょう。

- Southern California Science Network (SCSN) は、南カリフォルニア(ロサンゼルス~サンディエゴ)でサイエンス・リサーチまたはビジネスに携わる日本人同士で交流するための組織/ネットワークです。(http://www.scsn.us/)
- SCSNでは講演会だけでなく参加者同士の交流も重要と考えております。是非ご参加ください。(名刺をご持参下さい)

※ 日時:2007年12月8日(土)
    1:00 PM - 4:30 PM (12:00 PM 受付開始)
※ 場所: UCI - Palo Verde Housing
      (University of California Irvineキャンパス内)
※ 行き方・地図: 参加登録された方へ別途にご案内いたします。
※ 参加費: $10
※ 参加登録:参加ご希望の方は、以下のテンプレートをご利用の上、socalscinetwork@gmail.com までお申し込み下さい。
※ 定員(40名)に達した時点で、登録を締切らせていただきます。お早めにご連絡ください。


※※※※※ 参加お申し込みテンプレート ※※※※※

タイトル:第8回 SCSNフォーラム参加希望
1)氏名
2)所属
3)講演会後の懇親会に参加する(Yes or No)
4)返信用メールアドレス(送信元と異なる場合)
5)  現在の Visa status
6)  滞米年数
7) フォーラム内で取り上げてほしいトピックス、質問など


シリコンバレーで秘かに師と仰いでいるa-potさんが知ってか知らずかパスを出して下さったような気がするのでトラックバックして記事にしてみました。自分も早くそんな一人になりたいものです。
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by tomo_macintosh | 2007-11-07 11:34 | しごと
10月はもう少し頻繁に更新しようか、などと思っていたのもつかの間、だいぶ間が空いてしまいました。いろいろ書こうとし過ぎるのがいけないんでしょうか。構想(というほどのものではないけれど)を練っている間にネタそのものが色褪せてしまう感じです。ツマは「なんでそんな時間かかるの? アタシなんて15分クライよ」と言って自慢毛出してます。

ひと頃は気になって仕方がなかったアクセス元とアクセス数ですが、最近ではチェックすることもあまり無くなりました。数字がどうなろうと誰がどんな風に見ているのかわからないし、アクセス元が分かったところでコメントが残されなければコミュニケーションとはならないからです。禁コメントのブログもあるようですが、どうしてなのかあまり理解できません。

そんなこのブログですが、以前に書き散らかしたことがらがその後どうなったか、気になっている方もおられるでしょう。SCSNの交流会なども告知はしても実際どんな会だったのかを報告することがないので、どうだったのか疑問に思われている方もおられるかもしれません。列席したはずの結婚式はどうだったのか…とか。

でもそんなの関係ねぇ、ではありませんがそれらの話ではなく、今日は以前に紹介したジョブハンティング中のポスドクの後日談を。

結局彼女は諸手を挙げては賛成してくれなかったボスに心を痛めつつも、初志貫徹してアプライしたようです。どんな大学のどんなポジションにどれくらいの数応募したのかは聞いていませんが(役に立たずに申し訳ないです)、とある大学のインタビューに招待されました。ちらっと聞いたところでは60人ほどの書類選考から二人の候補に残った、ということでした。すげ。

インタビューでは数日をかけて多くのPIと話をしたようです。いわゆるチョークトークはなかったようなので、具体的にはどうやって審査を受けたのかは今ひとつピンと来ません。ただ、PIだけでなくポスドクや学生ともだいぶ話をしたようでした。もう一人の候補者は既にファカルティポジションを得ており、もしかすると現職でのネゴに利用するための応募かもしれない、と言っていました。

インタビューに出かける前は珍しく弱きとも取れる発言をしていたのですが、帰ってきてインタビューはどうだった?と尋ねると満面の笑みで良くできたと思う、と答えていました。羨ましい限りです、あの自信。かといって決して驕っているわけでもなく。はるかに、と言っていいほど年下ですが、正直アカデミアの研究者としては負け、を痛感した瞬間でした。

そんなわけで数週間経ってオファーが舞い込んだのもほぼ当然の結果と思えるものでした。実際、募集要項と現在までの経歴が奇跡的なほど合致したのも幸いしたのでしょうが、そのような募集を見つけ、正しいタイミングで応募することができた彼女の勝ちだったのでしょう。

オファーを得た、と聞かされたときには素直におめでとう、よかったね、と言ってあげられましたが、正直その後は凹んでいました。後からやってきてあっという間にステップアップしていく同僚に対し、優秀とは言い難い頭脳で永住権を得るためにひたすら実績を積み上げてきたものの、下調べに失敗して未だに永住権をただただ待つ日々。比べたって仕方がないことくらいこの頭脳でも分かりますが(笑)

あとは先方と交渉していつ頃赴任するか、現ボスに話して今後どうするのか、といったところのようです。ボスにはまだオファーが貰えたことは話していない、きっとあまりいい顔をしないだろう、と言ってしましたがさて、どうしたんでしょう。いずれにせよ、彼女は来年夏くらいまでには出て行くことになりそうです。ボスはどう対応するのか、にも興味があります。はぁ。と言うわけで、優に30分以上かかってしまいました。
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by tomo_macintosh | 2007-10-09 15:34

たどりついて推薦状

さて。前回思わせぶりなことを書いておきながら放置されていたのでありがたい突っ込みをいただきました。自分としても、あの苦労を忘れないうちに書き留めておかないことには後の教訓になりません(笑)。

前回エラそうに申請書の中身をディスクロージャーしてしまったわけですが、
1. 自分自身のCV
2. 修士の学位証明書
3. 在職証明書
4. 博士の学位証明書

この辺りは自分で問題なく用意できる類のものです。自分の場合は5年ほど前にフェローシップの申請に2、4が必要だったのでたまたま既に英文のものが手元にありました。両方とも当時電話で事務にお願いして送ってもらったものです。それ故日付はかなり古いのですが、構わないようです。3の在職証明書は過去職歴があった場合に必要になるもので、以前在籍していた会社の上司に頼んで最近送っていただきました。頼む際に書式(ちゃんとしたものはありませんが、常識的な線)を伝えるのを忘れたため、少々?と思うものでしたが、特に問題はないようでした。
5. 論文が専門分野の情報誌に扱われた際の記事

これはどの程度有効なのかは分かりませんが、2年前の論文が何故かイメージング関係のミニジャーナルに取り上げられた時のものを添付しました。後にも先にもその雑誌をどこかで見かけたことはありませんが、全く知らない人から見ると論文が医療関係の雑誌に注目されたように見えないこともないかも(笑)。もし論文以外の媒体で紹介されたことがあれば是非とも添付した方が良いようです。もしあれば新聞などはベストでしょう。
7. 政府関係のポスドクフェローシップの受賞通知

これは手駒の中ではかなり有効なものの一つ。いや、正直この申請書の唯一に近いウリです。論文の数や推薦状の数は揃ってはいますが、政府機関が申請者の研究計画を過去実績も含めて評価し、研究費を与えた、という事実は大変強力な証拠となる、とT弁護士に言われました。でもこの機関が認めてくれたんだから移民局が認めてくれなかったとしたら何か矛盾する気がしませんか(笑)。勝手な言い草ですかね。これが例え無かったとしても、何らかの賞をしっかりアピールしたり、論文と推薦状だけでアピールすることももちろん可能だと思います。
12. 同業、割と偉い人の推薦状
15. 臨床試験の共同研究先の知り合いからの推薦状(PIではない)
16. 同業、かなり近い分野の人の推薦状
17. ボスの推薦状
18. デパートメント長の推薦状

さあ、やっとたどり着いた推薦状(笑)。まず、推薦状を依頼する相手ですが、「直接の知り合いではないが、申請者をよく知っており、公正に評価できる立場の人」がいいのだそうです。知り合いじゃないのにどうやって知っているんだ、と突っ込まれそうですが、同じあるいは近い分野にいて、申請者の研究が優れているが故に認識されている、そんな状況でしょうか。とはいえ、誰にでも知られているくらい優秀ならばFacultyポジションをゲットすることも容易なはずで、そうなるとEB2-NIWよりはEB1のOutstanding Researcherを狙った方が良いでしょう。

推薦状を依頼する候補者としては政府関係の機関の職員、例えばCDC、NIH、DOE、DODの職員の方などが最強、との事です。共同研究や学会で知り合いになって推薦状が頼めれば非常に心強い味方です。ただし、NIHの職員は現在は外部に推薦状を書けないことになっているとのことで、私もお願いした方にははっきり断られました。他の機関については存じません。

政府系機関が望めないとしたら、次はできるだけ地位の高い方からの推薦状が有効だそうです。全米規模の学会の会長などがそれに当たります。比較的近所に「元」会長がいて、向こうは絶対覚えていないでしょうが、UCLAにセミナーをしに来られた際に、ランチに同行させてもらい、非常に短い会話(笑)をしたことがありました。もう一人、とある場所で遺伝子治療センター長、という肩書きの方にもお願いして「いいよ」と言われたのですが、それだけでした(笑)。(結局もらえなかった。理由は不明)他にはもう一つ、自分は直接相手を知らなくても、ボスにお願いして、ボスが知っている偉い人にボスの手紙と一緒にお願いする、という手もあるらしいです。

以前から将来的にグリーンカードを申請することを考えていたので、こういう「ちょっと偉そうな(笑)人」には以前からできるだけ話しかけるようにしていました。とはいえ、ハナから「将来グリーンカード申請の際の推薦状を書いて貰えませんか?ハァハァ」と近づいたわけではなくて、とにかく(自分の中での)有名人に話しかけて会話してみたかった、その程度のものですが。でも、心の隅には将来推薦状書いて貰おう、という気持ちがあったのは確かです(笑)。

ここら辺で私にとって強そうなカードはネタ切れ。大富豪に例える(笑)と、政府系機関の人は2、学会の会長クラスはA場合によっては2でしょうか。あとはなんとか身近・知り合いで絵札を探すことになります。意外なところでAにもなることもあるのが査読を依頼してくる雑誌のエディターだそうで、申請者がその分野のエキスパートと認めていられるからこそ査読を依頼する、そこを推薦状に書いてもらえばOK、だそうです。と言われて喜んで以前査読を依頼してきたエディタにお願いしたら、「あなたのことをそれほど知っているわけではない」と言われてしまいました。あっさりと振られたわけです(笑)。

あまり背伸びをして無理をしなかったせいか、規則上ダメ、というNIHの方以外は全員書いても良い旨の返事をもらいました。貰ったんですが、全員「いいけど、原稿書いてね♡」ということで、頼んだ分だけ原稿を書く羽目に… これが結果的に一番キツかったですね。そもそも、推薦状を依頼する手紙からして大変。そんなメール、書いたことないですから。日本のでの敬語なら多少は自信がありますが、英語となるとwould like to...とかその程度。

まあそんなつたない英文でも皆さん意志を汲んでくださったのか、推薦状書きなんて良くあることなのか、忙しいからダメ!なんて人はいなかったわけですが、原稿は全員の分用意しなければいけなくなったわけです。確かに大変ではありましたが、むしろ適当なのを勝手にかかれるよりは良いのかもしれません。というのは、カバーレター中で、この申請者はこれこれこういう理由で国益による免除を受ける資格がある、ということを説明していく中で、「例えば申請者は世界で初めてこんなことをした」と書くだけではダメで、その証拠として論文や推薦状を添付して証拠書類とするわけです。ですから推薦状の文面で「彼はこれを世界で初めて行った」と書いてもらう必要があるのです。

複数の推薦状は同一のフォーマットだと審査官に「推薦状が全部同じじゃないか!馬鹿にしとるのか!」と言われてしまいかねないので(ホントですかね…)、パッと見て同じとは思えない方がいいようです。とはいえ今までに書いたことがない類のもの、長期滞米研究者ネットワークの地の巻・永住権のページやT弁護士に見本としていただいたものを参考に書きました。ボスが他の人に書いたものも見せてもらいましたっけ。

推薦状はレターで二枚程度が良いようです。短すぎたり長すぎたりしない方が良いわけですが、それ以上に中身のない、「この申請者は素晴らしい研究者で、是非永住権を与えるべきだ」とだけ書いてあるようなものは事実上役に立たないのだそうです。もちろん手紙と同様、推薦状の最後にはサインをしてもらわないとなりません。また、推薦状と共に推薦者のCVを添付して経歴がわかるようにする必要があります。私の場合、時間がない状態でCVと一緒にお送り下さい、とお願いしたにもかかわらずほとんど貰えなかったので、インターネットで入手できるレベルのCVをプリントアウトして添付しました。

基本的な推薦状の文面は、まず冒頭で申請者のグリーンカードの申請を喜んでサポートする旨を述べ、次のパラグラフでは推薦者がどういうポジションでどれだけ実績・経歴があるか、要は推薦者がどれほど偉いかを淡々と(笑)記述します。そして推薦者はどういう(どれくらいすごい)施設にいてどんな研究テーマで仕事をしているかをできるだけ平易に書き記します。その後に永住権の申請者について記述するわけですが、推薦者の仕事に関連する形で書いていきます。これもあまり専門的に過ぎない方がいいです。そしてこれが大事ですが、推薦者の立場から申請者がどのように米国の国益になるかということを簡潔かつ具体的に説明します。私の場合は癌の治療、というのが根幹にあったので、healthcare、とか、quality of lifeとか頻繁に使いました。そして、最後にもう一度、この申請者に永住権を与えないのは米国、いや人類にとって大いなる損失だ(笑)みたいな文面で締めます。…これは書いてみるとわかりますが大変です(涙)。できるだけ大げさに、でも事実に反しない程度に…(笑)。

結局論文以上に神経をすり減らして(ん?なにか間違ってるような…笑)複数の推薦状をなんとか書き上げ、送った結果、原稿は送ったにもかかわらず返事のなかった人二名、ほとんど内容を変えずほぼそのままでサインだけして返してくれた人一名、結構書き直してあるが痕跡は多く残っていたもの約二名、いろいろひねり出して(笑)書いたのにほぼ全く原型をとどめていなかったもの約二名、といった感じでした。

ちょっと話はずれますが、この推薦状を手に入れるまでの一連の騒動(私にとっては)はいろいろ考えさせられることが多く、一つ大きな反省点として自分に残ったのは、『あまり人の‘為’に働いていると思うべきではない』ということで、考えてみれば以前から認識している自分の良くない点です。ついつい忙しい日々の中でそう思ってしまっている(忙しいのは自分のせいなのに人のために働いているような気になってしまう)自分がいて、こういう時にはそれをその分返してもらえるのではないか、などと思ってしまうわけです(そして返してもらえないと腹を立ててしまう)。よく考えれば分かる話なのですが、働いているのは自分の為な訳で、他の誰でもないんですが。

6. 論文A
8. 論文B
9. 自分の論文の被引用リスト
10. 自分も著者に加わっているレビュー
11. 論文C
13. 論文D
14. 論文E
推薦状についてはお分かりいただけたでしょうか。論文について説明する事はありません。論文全体を添付しても読んで理解してもらえるなんて事は絶対ないので、表紙のページだけを添付します。次回は、おまけとして9.の被引用リストの説明を予告いたします(笑)。普段あまり使いませんからね。
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by tomo_macintosh | 2007-04-06 17:24 | しごと
永住権(グリーンカード)の申請の巻、大分間が空いてしまいました。これまでのところは、どういうカテゴリで申請するのか、ということを説明したつもりです。

今回は、申請書の内容に焦点を当ててみたいと思います。

推薦状の実際に踏み込む前に、どういう構成で申請書を作り上げたかを開示してみます。
1. 自分自身のCV
2. 修士の学位証明書
3. 在職証明書
4. 博士の学位証明書
5. 論文が専門分野の情報誌に扱われた際の記事
6. 論文A
7. 政府関係のポスドクフェローシップの受賞通知
8. 論文B
9. 自分の論文の被引用リスト
10. 自分も著者に加わっているレビュー
11. 論文C
12. 同業、割と偉い人の推薦状
13. 論文D
14. 論文E
15. 臨床試験の共同研究先の知り合いからの推薦状(PIではない)
16. 同業、かなり近い分野の人の推薦状
17. ボスの推薦状
18. デパートメント長の推薦状

これが、結果的にUSCIS(U.S Citizenship and Immigration Services)に送った内容です。

結果的に、というのは、特に先日書いたEB1の場合、USCISが提示する条件のうち、申請者がそのうちのいくつかを満たすことを証明すればいいので、その項目に沿って書き上げればいいわけです。

それに対して、EB2のNIWの場合、申請者の研究が本質的に価値があり、米国もしくは人類全体に利益があることを示さなくてはなりません。その上で、他にもたくさんいるアメリカ人の研究者と比較してどう実質的に違うのか(substantially different)、どうして申請者でなくてはいけないのか、などを綿々と綴らなくてはいけないわけで、そうなると叩き台のようなものはあったとしても、決まったフォーマットに沿って書き上げる、というわけにはいかないのです。

できるだけ平易な文章で申請者の研究内容について説明し、その研究が進むことによりどういう病気を治すことが出来るかを説明します。この段階で既に医学研究とそれ以外では違ってきてしまいます。

対象となる病気の実情は現在どうなのか? 自分の仕事とそれがどうつながるのか? 自分の仕事がどう具体的に他と違うか(セールスポイントとなるのは)? 自分のいる施設は申請者の研究分野のどういう点で優れていると言えるのか? それがどう国益に結びつくのか・・・?

所属するラボの発展にどれくらい貢献したか? 例えば、自分の成果(論文)を元に研究費が獲得できた(=その研究費によってさらに研究が前進した)、など。そして、研究の進歩度合いはどうか? 臨床へつながる研究ができているのか? そして、自分の仕事と関連して今後期待されることはなにか?

これらを審査官の感情に訴えるような表現で書ければいいのだそうです。ただし、虚言はだめで、裏付けがなさそうな表現も良くないそうです。感情に訴えているつもりが、感情を害してしまっては台無し、ということですね。

さて、上記のことをつらつらと書きながら、これまで世に出した論文をそれぞれ「こういう取り組みで始めて」「こういう風に発展し」「こういう応用もしつつ」「この方向で臨床に」ということで引用していくわけですが、審査官は癌の遺伝子治療、ましてや分子生物学も知らないような人のはずですから、本文を読んで、論文に目を通して、“よし、この申請者は国益になる”と判断してくれるわけではありません。いや、そうだったらどれだけいいことか。

そういうわけで傍証となる推薦状の登場です。はああ、ここまで遠かった。まだまだ先は長いんですが。本当は推薦状のことをメインに書こうと思っていたのですが、寝不足がキビシイのでここで中断させていただきます。続きは次回以降ということで。
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by tomo_macintosh | 2007-03-24 16:59

国益ってナニ?

同じ発表を2回聞くとさすがにあらが見えてくるものですね。これが一発で見抜けるのが優秀な研究者なんだろうなあ。サンディエゴのカンファレンスで発表したとあるアジアの女性研究者をどうやらウチのボスがUCLAでのトークに招待した模様。月一回遺伝子治療のセミナーをやってるっていう偶然も重なったからだとは思いますが。彼女の系、確かに他にない(ここが肝要)スバらしい系ですが、穴がないわけじゃあないな、と。どんなのでもそうですが。

サンディエゴのカンファレンスで発見したことがあります。よく部屋の前の方は年寄り、若い人は総じて後ろに固まってるっていう図がありますが、あれはエラい人間が前の方に座って虎視眈々と他人のトークを聞いているのかと漠然と思っていました。ありゃ実は加齢とともに視力が衰えているからなんじゃないか、ということ(笑)。ラボの連中とつるんで後ろの席に座ったら細かい字が読めませんでした。仕方ないので前の方に入り込んで行きました。トシだなあ(笑)。

さて、前回だけで済ませちゃあなんの役にも立たないだろう、ということで続きです。NIW申請の実際です。

EB1のように定められたいくつかの基準の内どれそれを満たせばよい、その(満たしていると考えられる)理由を列挙せよ、というのならそれにそって申請書本文(カバーレターと言うようです)を書いていけばいいのですが、NIWの場合、そういった基準がないため、カバーレターの中でストーリーを作って流れに沿って申請者がいかに国益にプラスになるか、ということを論じるのです。

前回も書いた&コメントをいただいたように、この国益というヤツ、非常に曖昧です。弁護士の先生曰く、場合によっちゃ高校卒業程度の人が審査官であることもあり得るんだそうで、論文よろしく綿々といかに自分の業績がすばらしいかを専門用語バリバリで説いても、全く効果なし、むしろ逆効果、なんだそうです。従って、万人に理解できるぐらいのつもりで書かなくてはいけません。

私の場合、遺伝子治療はおろか、基礎生物学的な知識もほぼないくらいの弁護士先生にとりあえずベーシックから説明してある程度納得してもらった上で書いていただきました。自分の研究の全てを理解してもらうなんてのはどだい無理なので、これはお互い歩み寄って妥協点を探った、というところです。遺伝子治療の説明をするのにDNAから始めなくてはいけない、その大変さがお分かりになるでしょうか(涙)。

でもこれは考えようによっちゃいい訓練です。常日頃、というわけでもありませんが、万人とは言わずともより多くの人に自分の関わっているサイエンスをわかりやすく面白く伝えられればこれほどすばらしいことはありません。いやなんかエラそうで自分で書いてても嫌になりますが(笑)、誰にでも分かり易く説明できるのが本当に優れた研究者なんじゃないかな、と思っているんであります。

カバーレターを弁護士の先生とやりとりしながら、しかし時間がないので突貫工事で仕上げたわけですが、言うは易く行うは難し、でかなり大変でした。弁護士によっても作成のプロセスは異なるのでしょうが、時間があればこっちが骨格を作って分かり易いように手を入れていってもらった方がいいのかもしれません。ですが、いくら簡単に書いたつもりでも全く分かってもらえなかったりするので迷うところです。膨大な量になってしまうので一から説明するわけにもいきません。

基本的にはカバーレターで申請者自身がどれだけ同程度のアメリカ人研究者と比較して実質的に違うのか(substantially different)を謳い、それがどう国益に結びつくのかを説きます。その説明の課程で具体的な証拠を示すために投稿した論文を添付したり、推薦状を添付していくわけです。そうして具体性を持たせて総合的に判断してもらうことになります。ですから大言壮語してドラマチックにしてもそれをサポートする証拠がなければ全く相手にしてもらえません。
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by tomo_macintosh | 2007-03-13 11:03 | くらし

国益って

サンディエゴの学会は結局、メキシコ料理の食い倒れツアーと相成りました。中日・最終日ともにサンディエゴ・オールドタウンでメキシカン(メキシコ料理、なんですがどうも料理、という言葉が感覚にマッチしません)を堪能。かつてはメキシカンの量の多さと味の平坦さに驚愕しちょっとしか食べられなかったものですが、今では平気な顔をして平らげてしまうのですから腹部の形態変化も頷けるというものです(笑)。

肝心のカンファレンスは癌研究における標的New Targets and Delivery Systems in Cancer Diagnosis and Treatmentということで様々な分野からのスピーカーが登場、ライバルとなりそうな人たちの講演内容にずいぶん刺激を受けました。ただ、見る限りはどのPIも一つのプロジェクトに多数の兵隊を投入している模様。これじゃあまともな勝負は辛い。よほどユニークなテーマならともかく、今取り組んでいるのは決してコンペティターの少ない分野ではない。方針の変更もありかも?と思いましたが果たしてボスはどう思ったのやら。

さて、書く、と宣言した、なんとか滑り込みで申請を済ませた永住権です。アカデミアに所属する研究者が永住権を申請する場合、EB1かEB2のカテゴリになると思います。何も知らなければ何やそれ、ということになると思いますが、申請の方法には様々な方法があって、抽選、なんてのまであるくらいで、なるべく早く、より確実な方法で、ということになるとこれらのカテゴリ、ということになるということです。ちなみにEB-5まであるそうです。

EB-1/2にもさらに分類があるのですが、基本的にEB1は「優秀」であることが求められます。何人かに聞いた感じでは申請する側の書類次第な感じもしますが、求められるいくつかの基準を満たしていれば(あるいは満たしているように見えれば)いいのだそうです。最終的にこの「優秀」さは絶対的な基準があるわけではなく、そうと思えるような何らかの基準があればいいのだと思います。

いわゆるOutstanding Researcherというカテゴリ(EB1-2)は学校側(雇用者)の承認が必要で、学部等によってもその基準が異なるようです。知り合いの方はこのカテゴリで申請し、短期間で取得されました。私は、担当となる医学部のビザオフィスに問い合わせましたが、申請資格ギリギリ、ボーダーライン、ということで「も少し実績積んでね♡」と追い返されたのが約2年前。この辺は担当次第かな、というのが感想です。

一方EB2には二カテゴリあって、Labor Certificate(LC)がいるかいらないか、というのが大きな差です。LCは特定の条件を満たすアメリカ人労働者がいない、ということの証明のようなもので、対象となる人しか当てはまらないんじゃないか?というような募集要項で求人をし、他に対象者がいないということを証明しなくてはなりません。

LCさえ取得できればマスターもしくは学部卒プラス5年程度の実務経験で申請資格は満たされるようですが、このLC取得に時間も費用もかかってしまいます。そこでLCを必要としないもう一つのカテゴリがNIW、National Interest Waiverです。(永住権の申請に当たり、LCは)国益であるため免除、ということなんでしょうか。経済・医療・教育・環境などの分野でアメリカの国益につながる能力を有している、ということを証明することになります。分かり易い例で言うと技術系で軍事技術に役立つ、なんてのは最強でしょうね(笑)。

いざ、永住権を申請しようか、という段階で、学校(雇用)側の意向(サポートするかしないか)にかかわらず、LCなしで、となると超一流の人物ならEB1-1、そうでなければEB2-NIW、そんなところでしょうか。
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by tomo_macintosh | 2007-03-10 18:25 | くらし