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復活なるか


by t-mac
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連勝ストップ

以前失敗知らず、と書いた(書いてしまった?)トランスフェクションからのアデノウイルス作り、遂に土が付いてしまった(笑)

今回の敗因は分っている、なぜならいつもと違うことをしてしまったから。一番してはいけないことの一つですな、問題なく動いている系を違う方法でやる、ということ。

といっても実はそれほど変わったことをしたとも思えない、いやむしろいつも(の方法)よりうまくいってもおかしくないんじゃないか、とも思えるのだが。いかんいかん、そういう思い込みがドツボにハマっていく罠かもしれん。

組換えアデノウイルスを作る際、実際にウイルス粒子を細胞から作ろうという時、まずアデノウイルスの全長を含むプラスミドDNAを制限酵素のPac Iで直鎖状にして293細胞に導入する。そして導入が上手くいった細胞のうち、そのDNAがウイルスゲノムとして機能することができ、ウイルス産生サイクルまでこぎ着けられたもののみ、ウイルスを作ることができる。理論的にはたった一個の細胞でもそうなってくれれば後は感染が広まるのを待てばいいことになる。

ところが、今回仕込んだ検体は待てど暮らせど2週間をとっくに過ぎても何の音沙汰もなし。ついに諦めざるを得ないことと相成った。

これまで、細胞を導入する際に、Pac Iで得られるウイルスゲノムの全長の断片とプラスミドのバックボーンは選別せずに一緒くたに導入してきた。それが、負け無しの結果だった=ウイルスは必ず得られていた。ところが、今回は別の実験と同時にやっていたせいもあって、お手伝いのR君にゲル精製でウイルスゲノム断片を単離するよう言い渡してしまった。

精製後の純度、濃度など細かくチェックしなかったのもいけないのだが、そのままトランスフェクションを任せたあげくのこの体たらく。ゲル精製などせず、エタ沈だけしてやっておけば良かった。

ま、ゲル精製なんて必要ないよ、ということで覚え書き。ヤバいと思ってやり直したトランスフェクションでは速攻でCPEが出たのでホッと胸を撫で下ろしています、はい。
by tomo_macintosh | 2006-02-08 12:31 | しごと